アニメーションを作るなら「クリスタ」一択。
クリップスタジオってどんなアプリ?
CLIP STUDIO PAINTは株式会社セルシスが発売しているペイントアプリです。
Windows・macOS両方使えて、Android版やiPad版もあります。
こちらのブログでは主にアニメーション作りをメインに紹介していきますが、
- イラスト
- 漫画
などにも特化しているので、お絵描きする人の御用達アプリと言ってもいいでしょう。
有名なアプリなので、チュートリアルも豊富です。
👍クリップスタジオのここがおすすめ!
高機能なのに月額が安め
クリスタはPRO版(月額240円~)、EX版(月額650円~)と比較的手の届きやすいお値段になっています。(※それぞれ一括払いもあります)
アニメーションを作る場合は枚数制限のないEX版がおすすめですが、お絵描きするだけならPRO版でも充実した機能が揃っています。
もちろん無料体験版もあるので、購入しようかどうしようか迷っているときは是非体験版から始めてみてください。
ペンが豊富で初心者でもきれいに線が描ける
クリスタで一番気に入っているところの一つなのですが、線が本当にきれいに書けるんです。
ペン設定が豊富で、さらにカスタマイズも効くのでかなりおすすめポイントです。
綺麗な線が描けると絵が上手くなったような気分になれるので制作がより楽しくなりますよ。
色々な用途に対応しているから、ただイラストを描くだけでも楽しい
当ブログではアニメーション制作が中心ですが、イラスト・漫画制作にも使えるので色々試してみたくなること間違いなしです。
絵コンテ制作もレイアウト制作も快適に出来ちゃいます。
わかりやすい操作で初心者でも使いやすい
最近のアプリはだいたい直感的に使用できるようにデザインがシンプルで使いやすく設計されていますが、クリスタももちろん初心者でも使いやすいインターフェースになっています。
この記事では実際の使い方を紹介していきますので、最後まで読めばアニメーション作りに必要な機能を知ってバッチリ操作できるようになるかと思います。
実際に触りながら読んでいくとより理解しやすいかと思いますので、まだダウンロードしていないという方は是非体験版を触りながら読み進めてみてください!
手描きアニメーションを作ってみよう!
それでは、ここからは実際にクリスタを使ってアニメーションを作る手順を詳しく見ていきましょう。
インターフェースをマスター
クリスタを起動すると上図のような画面が開きます。
- ①メニュー:クリスタで出来る色々な操作が格納されています。
- ②ツール:ペンやバケツ、変形ツールやガイドなど絵を描くための色々な道具が格納されています。
- ③ツールの設定パネル:ペンの細さやレイヤーなど色々な設定をするためのパネルです。
- ④便利なボタンが配置されたバー:ファイルを開いたり、保存や元に戻すボタンなどが並んだバーです。
- ⑤キャンバス:設定を終えるとここにキャンバスが表示されて絵を描けるようになります。
- ⑥タイムライン:アニメーション作業に必須の時間の流れを表しているバーです。
②で絵を描くための道具(ペンやブラシなど)を選んで➡③で使うインクやペンの細さなどを設定➡⑤のキャンバスに描く というのが基本的な流れになります。
設定の仕方をマスター
先程のインターフェースの項目で紹介した
- ①のメニュー>ファイル>新規
- ④の中から新規ボタン
のどちらかで新しくキャンバスを作ってみましょう。
既に作ったシーンを開くときは「開く」を選べばOKです。
上図のような設定画面が出てきますので、「作品の用途」を「アニメーション」にしましょう。基本的にはこれだけでアニメーションに必要なパネルが開いた状態になってくれます。
設定画面の下の方でキャンバスのサイズや作るアニメーションの長さを設定できます。(※後からでも変更可能です)
アニメーションをやるなら絶対に知っておきたいフレームレートの話
「FPS」という単位を聞いたことがありますか?
恐らくゲームに興味ある人なら「60FPS出てヌルヌル動く!」などYouTubeのゲーム実況などで聞いたことがあるかもしれません。
FPSとは「フレームレート」の単位で、1秒の間に何枚絵が切り替わるかを表しています。
例えば、先ほど出てきた60FPSは1秒間が60秒の絵で出来ている、ということです。
FPSの数値が高いほど滑らかでリアルな動きに見えますが、作画の場合は描く枚数が多くなるので作業が大変になります。
日本のテレビアニメはだいたい24FPSが主流です。YouTube動画やゲーム内のアニメーションなどでは30FPSも多いので、だいたい24か30FPSで作るのが良いかと思います。
レイヤーの仕組みをマスター
アニメーションを作るときは後述する「タイムライン」に絵を配置していくのですが、まずはレイヤー構造について知っておくとより理解しやすくなります。
PCやタブレットでお絵描きをする人にはお馴染みかもしれませんが、デジタルのお絵描きアプリには必ず「レイヤー」という機能がついています。
クリスタでレイヤーを見るときは先ほどのインターフェースの所で紹介した③のパネルでレイヤーを選択すると確認することが出来ます。
レイヤーは簡単に言うと「紙の重ね順」のようなものです。
レイヤーは上にあるほど手前に見えます。手前と後ろの順番を変えるのも楽々できて便利なので、是非覚えておきましょう。
キャラクターや体のパーツごとに違う紙に描くことであとから部分的に調整しやすくなります。
上図の猫を例にして、「しっぽだけ動きをアニメーションさせたい時」はしっぽを別のレイヤーにしておくと、コマが変わるごとにいちいち全身を描き直さずに尻尾だけアニメーションを描けばいいのでとても楽です。
タイムラインの見方をマスター
時間は左から右へ流れていきます。
②の青い縦線表示は設定している尺の範囲です。この青いツマミをドラッグ&ドロップで尺の長さを簡単に変えられます。
タイムラインの上部に付いているボタンを押すと作ったアニメーションを再生したりできます。
タイムラインはレイヤーの「時間」がついているバージョンと考えるとわかりやすいです。
「作品の用途」を「アニメーション」にするとあらかじめ「アニメーションフォルダー」が出来ています。これは時間付きのレイヤーのことで、タイムライン上部に付いているボタンの①「新規アニメーションフォルダー」を押すと追加で作ることが出来ます。
横にある②「新規アニメーションセル」というボタンを押すとアニメーションフォルダー内にコマを増やすことが出来ます。
パラパラ漫画の紙を増やしていくイメージで考えるとわかりやすいかもしれません。
アニメーションフォルダー内に作った絵のコマのことを「セル」というので覚えておくといいかと思います。
- ①タイムラインの帯の表示を拡大縮小できます。(アニメーションには直接影響はありません)
- ②再生や1コマ戻る・1コマ送るなどができます。
- ③再生をしたときにループするかどうかのボタンです
ツールの使い方をマスター
クリスタのツールは本当にたくさんあるので、今回はアニメーションを描くのに最低限必要なものを紹介していきます。
ペンや塗りつぶしツール
クリスタにはペン・鉛筆・筆・エアブラシなど線を描くツールが沢山そろっていますが、アニメーションを作るときは「ペンツール」の「べた塗りペン」がおすすめです。
このペンは「二値(にち)ペン」とも呼ばれる「アンチエイリアス(線が滑らかに見えるようなボカシ)」がない、拡大するとギザギザとハッキリしたペンです。
アンチエイリアス入りのペンで描いても勿論いいのですが、アニメーションするときは1枚絵と違って着彩が大変なのでこのギザギザしたハッキリしたペンで線を描いてあげると塗りつぶしなどの効率がグンと上がります。
塗りつぶしツールを使うと、「線で囲まれた範囲」を一気に塗りつぶすことが出来ます。鉛筆の方は線の際の部分が白く残ってしまっているのに対して、べた塗りペンは線のギリギリの部分まで塗りつぶしが出来ているのがわかります。
他にも図形を描くツールなどはありますが、ペンと塗りつぶしを覚えておけば最低限のアニメーションは作ることが出来ます。他のツールも実際に触ってみると面白い発見があったりするので是非色々試してみてくださいね。
オニオンスキン
アニメーション作りにおいて、一番重要な機能ともいえるのが「オニオンスキン」です。
タイムラインの上部に付いている四角が二つ重なったようなボタンをONにすると「オニオンスキン」が表示されます。
これは「ライトテーブル」の機能で、【今表示しているセルの一つ前のセル】(通常は青で表示)と【今表示しているセルの一つ後ろのセル】(通常は緑で表示)を薄っすら表示してくれる機能です。
(※上図は良い画像がなくてAmazonの商品画像からお借りしたものですが、こういうライトテーブルと同じ機能をデジタル上で表示してくれるものです。)【前のコマの紙】と【後ろのコマの紙】を重ねて置いて、下からライトを当てることで前後のセルの絵を透かしてくれるイメージです。
前後のセルときれいにつながる絵を作る時は必ず必要な機能なので是非覚えておきましょう。
このオニオンスキンの表示は
メニューのアニメーション>アニメーションセル表示>オニオンスキン設定 から色や表示枚数、濃さなどを変更できるので自分で見やすいように調整するのがおすすめです。
書き出しをマスター
書き出しはいくつか方法があります。お好みで使い分けてみてください。
メニューのファイル>アニメーション書き出し
からお好きな書き出し方法を選べばOKです。
アニメーションGIF
GIF形式での書き出しです。短めのワンアクションのアニメーションなどはこの書き出し方法が多いかもしれません。設定画面で「ループ回数」を「無限」にすると画像を開いた時に勝手にループ再生を繰り返してくれるようになります。
連番画像
PNGなど静止画の連番(画像の末尾に[_0001]や[_0002]など絵の順番ごとに数字の付いた名前がついている複数の画像のこと)で出力できます。
(※こんな感じで頭から順番に番号が付いた状態の複数の画像)
After Effectsなどクリスタ以外のアプリに取り込んで仕上げたい時などに使うことが多いかと思います。
後述の「アニメーションセル出力」とは違い、すべてのコマの絵を出力します。(30FPSでセルが10枚だった場合=30枚出力します)表示しているアニメーションフォルダー(レイヤー)はすべて同じレイヤーとして出力されますのでご注意ください。
ムービー
AVIもしくはMP4形式のムービーとして出力できます。
他のアプリに取り込むことなく、クリスタ上で完結させてムービーにしたい時は便利かと思います。本番用ムービーとしての使用頻度は多くなさそうですが、チェック用ムービーとして出力したい時などに私はよく使います。
アニメーションセル出力
「書き出し先のフォルダー」で指定した場所に「セルの絵」を出力します。表示しているアニメーションフォルダーをすべて[別々のレイヤーとして]出力できるのでセル分けが多く、After Effectsなどで仕上げる場合は一番便利な出力方法です。
前述の「連番画像」とは違い、セルの枚数だけ出力します。(30FPSでセルが10枚だった場合=10枚出力します)
ここではよく使う4つの方法を紹介しましたが、他にもアニメーションスタンプ形式での書き出しなども用意されています。
一通りマスターしたら、オリジナルアニメーションを作ってみよう!
今回は駆け足でアニメーションを作るときの操作方法を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。今後ももっと踏み込んだハウツーなども紹介していきますので、是非このブログにブックマークをしてチェック頂ければ幸いです。
それではまた別の記事でお会いしましょう!